『メトロイド ドレッド』面白かったよ
『メトロイド ドレッド』 が面白かったメモです。 公式で公開されている以上のネタバレは極力排しているつもりです。
『メトロイド ドレッド』ゲームキャプチャ
『メトロイド ドレッド』
『メトロイド ドレッド』は探索型の2Dアクションです。 操作体系の複雑さ[1]やメトロイドヴァニア[2]のジャンル自体が、ゲーム慣れしていなければある程度慣れるまで時間がかかるものの、
『メトロイド ドレッド』は、2Dアクション「メトロイド」の集大成と言ってもいい内容になっています。
メトロイド ドレッド:メトロイド ドレッド レポート Vol.10 ZDRに旅立つみなさまへ | Nintendo Switch | 任天堂
という通り、アクションゲームとしてのフィードバックの良さ、近接カウンターの心地よさや演出のカッコよさ、ゲームを盛り上げるシナリオなど、総じてレベルが高く、遊んで楽しいゲームでした。
中でもひときわ凄いなーって思ったのはレベルデザインなのでいくつかメモを残しておこうと思いました。
デザインされた探索
謎を解いたりパワーアップを繰り返したりすることで、徐々に行動可能な範囲が広がっていく「探索」。 進行ルートは一つではなく、さまざまな攻略方法で探索が楽しめる。
メトロイド ドレッド:広大なマップの探索 | Nintendo Switch | 任天堂
とのことなんですが、新しいアビリティを手に入れて、マップを見ながら次にここに行こうと計画したところが、大抵次の順路になっています。 新しいアビリティを早く試してみたい気持ちを上手く利用されている気がしますね。
結構誘導されている感覚はあるものの、複数の攻略ルートがあり強制されていることも無いですし、次々に新しいアビリティが手に入るものですから、よくできてるなーって感心しました。
プレイヤーに次に進むべきところを明示せずに、マップを見て計画を立てられる。立てた計画に対して何かしらのフィードバック(たいていは次の順路)が得られる。 この連続でプレイヤーは探索するのが楽しくなるのだろうと思います。
デザインされたプレイヤーの成長
本作の特にボスは手強い難易度でした。僕が下手なだけかもしれませんが。 少なくとも後半のボス戦を初見で突破するのは並外れた勘と観察力が無いと無理だと思います。 それだけに攻撃を上手く躱せたときは、「今の上手くない?」と思わず自画自賛してしまいます。
ボスの行動はパターンの組合せによって決まっており、それぞれのパターンは攻略法が必ず用意されているので、 「敵のこの行動に対しては、このアクションを試してみようかな?」というように、攻略を部分に分けて考えやすくなっています。
序盤のボスはボス戦前のカットシーンなどから、こういう行動が有効だよーとかが分かるようになっていますが、 後半ではそれが無くなり、プレイヤー自身が攻略法を考えなければならなりません。 ですが、段階的に攻略のパターンをプレイヤーが学習できるように仕向けられているため、 後半になると敵の攻撃に対してどう対処するかを自然に考えられるようになっていて、上手いなあと思いました。
また素早く再挑戦できるように設計されており、失敗しても次の挑戦にすぐに切り替えられ、モチベーションも削がれにくいです。
アクション部分でも、計画、実行、フィードバックのループが上手く機能すれば、短期間で成長が期待できるんですね。
緊張と緩和の連続
『メトロイド ドレッド』ゲームキャプチャ
『メトロイド ドレッド』は、緊張と緩和の連続を意図的に配置しているように感じます。
典型的なのはE.M.M.Iゾーンですね。E.M.M.Iゾーンの中では強敵に追われることになるので、プレイヤーは緊張するものの、E.M.M.Iゾーンの外までは追ってこないので、一旦は安心します。 ゲームの進行上、プレイヤーはE.M.M.Iゾーンへの侵入と脱出を繰り返すことになるので、緊張と緩和を繰り返すことになるんですね。
また、E.M.M.Iゾーン以外にも、マップの雰囲気が突然変化したり、新しい要素や敵が追加されたり、カットシーンが挿入されるなど、通常の探索の中にも緊張を感じさせる瞬間が度々用意されています。 コンセプトの「恐怖」を実現するためにも、緊張の瞬間をレベルデザインに取り込んでいるんでしょうね。
このような緊張と緩和の連続によって、プレイヤーは知らずのうちに疲弊し、プレイ後に満足感が感じられるではないでしょうか。